デフレやインフレの指標となるのがGDPデフレーターです

   

高度経済成長では、約20年で東京タワーや高速道路、新幹線などを建設するなど、欧米諸国に追いつけ追い越せという目標に、国と国民が一丸となって取り組んだことが奇跡を生み出しました。

2020年については、東京オリンピック・パラリンピックへの準備だけに留まらずに、失われた20年で傷んだ財政や経済を立て直し、日本が政治・経済、そして文化面において世界の中でのプレゼンス(存在感)を上げることが今回の目標になります。

景気循環に詳しい三菱UFJモルガン・スタンレー証券の景気循環研究所は、日本経済は中長期サイクルに加えて、短期のキチン・サイクルも上向くゴールデン・サイクルに46年ぶりに突入していると判断しています。

4つの景気循環とは、短期循環(4.4年周期)のキチン・サイクルと中期循環(9.4年周期)のジュクラー・サイクル、長期循環(25.5年周期)のクズネッツ・サイクル、超長期循環(56.5年周期)のコンドラチェフ・サイクルです。

この4つのベクトルが全て上向きになる経済の状態をゴールデン・サイクル(黄金循環)といいます

日本でこのゴールデン・サイクルが発生したのは、1904年、1916年、高度成長期の3つの好景気である神武景気時の1957年と、岩戸景気の1960年、いざなぎ景気の1967年の5回しかありません。

しかも2020年東京オリンピックに向けて日本経済は3回のゴールデン・サイクルを迎えるため、神武景気のときに見られた爆発的な好景気となる可能性があります。

エコノミストとは、イギリスの週刊新聞で、発行部数は約160万部です。

政治・社会については地域ごとに記事が組まれていますが、ビジネスと金融は地域を問わずに広く取材され、日本企業もよく取り上げられています。

購読者の大半は社会的地位の高い層といわれています。

鋭い分析からなる記事は世界の政治・経済情勢に与える影響が大きく、世界でも有力な政治経済紙の一つと広く認知されています。

つまりこのエコノミスト誌の表紙に取り上げられることは、世界的な注目度の高さを示しているといえます。

安倍首相は世界中の政治家からも信頼が厚くなってきており、歴訪したアジア各国首脳からも熱烈な歓迎を受けています。

安倍首相が目指す目標の一つがデフレからの脱却ですが、デフレにはどのような問題があり、なぜアベノミクスで日本はデフレから脱却できるというのでしょうか。

 

念のため、まずデフレの説明から始めましょう。

デフレとは、デフレーションの略で、持続的に物価が下落していくことを指します。

デフレやインフレの指標となるのがGDPデフレーターで、これは名目GDPを実質GDPで割った数値であり、付加価値の物価を表しています

日本のGDPデフレーターは1994年度をピークに2012年度まで19年連続で下落しました。

2013年にはわずかに上向きましたが、決して本格的な上昇ではありません。

デフレになると、お金の価値より物の値段が下がります

消費者にとっては悪いことではないように思えますが、メーカーやお店では売り上げが減り利益も減ることになります。

すると従業員の給料が減らされたり、リストラされて失業してしまう事態となり、結果的に消費者は買い物を控えるようになってしまい、さらにモノが売れなくなる悪循環が発生します。

このデフレから脱却するためには、国民や企業みんながモノを買いたいと思うようになることが必要です。

金融政策的にいうと、物の値段が下がるのは、世の中にお金が十分に出回っていないためで、お金の量が少ないから、お金を貯めこんで使わなくなると考えます。

ROEとは、株主から預かった資本を元手に、1年間でどれだけ利益が上がったかを見る経営指標であり、純利益を株主資本で割って算出します。

この数値が高いほど、効率よく収益を稼いでいると判断することができます。

ROEを引き上げるには、分母の株主資本を減らすか、分子の純利益を増やすことになります。

株主資本を減らすとはどういうことでしょうか。

株主資本は株主から預かった資本ですので、株主に返せば減少します。

株式市場で自社株式を買い付けて株券を消却する自社株買いと、株主に現金を支払う配当金という2つの手段があり、株主還元といわれています。

さてROEは売上高純利益率と総資産回転率と資本効率のかけ算に分解することができますので、いずれかの数値を引き上げることができれば数値は上昇することになります。

分子の純利益を増やすためには売上高純利益率を引き上げることになります。

具体的な方法としては原価低減や販売管理費の引き下げなどです。

総資産回転率を引き上げるというのは、売上高に対して総資産を少なくするという意味です。

具体的には、店頭に並んでいる商品や倉庫に眠っている原料などの流動資産を減らすことや、工場跡地や社員寮などを売却して固定資産を圧縮することなどがあります。

資本効率を改善するには、レバレッジを高める必要があります。

レバレッジとは、銀行借入や社債発行などで集めた負債をてこに、株主資本以上に営業活動に使える資産規模を大きくすることができるという意味です。

負債を増やすことと、株主還元によって株主資本を減らすことによって資本効率を引き上げることは、株式市場でも高く評価されています。

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